愛媛県内最大のユズ産地である鬼北町で収穫がピークを迎え、生産者が黄色く育った果実を一つ一つ丁寧に摘み取っている。作業は12月上旬まで続く。
 JAえひめ南によると、鬼北、松野両町では約600軒の農家が計約90ヘクタールでユズを生産している。今年は裏年のため、収穫量は前年比3割減の約1300トンを見込んでいる。夏季に続いた干ばつで日焼けなどの影響が多少出ているものの、大きさは例年通りで、酸味や香りも良好という。
 鬼北町父野川下の宮森竹義さん(81)は10日、約40アールの農地で午前中から作業を進めた。爽やかな香りに包まれる中、手伝いに駆け付けた親族と協力して次々とかごに入れていった。
 宮森さんは「5トンぐらいは取れそう。愛情を込めて作ったので、鍋料理やゆず風呂で楽しんでもらいたい」とアピールしていた。